小劇場:ククールは見た!!


戯曲シリーズ番外編。
ご当人もすっかりお忘れかもしれない7katさまの23456キリ「カルロでククールで戯曲シリーズ」というリクと、こないだの40000記念チャットでもんどさまからリクられた「マルチェロの弱いところ:うなじ」をいっぺんに消化してみた、まさに駄文です。
今回は、いつものよく喋るメンバーが一人もいません。つまり、マイナー団員に光を当てる企画…に、なるかな?





登場人物

ククール…食欲と睡眠欲と性欲と兄への欲情という、四大本能で生きている聖堂騎士団…というより世界レベルのアホの子。世界を震撼させんばかりに美形。

ジョゼッペ…名家出身のロン毛の騎士団員。ナルシストというけっこう美味しい公式設定を今回こそ生かせるか!?

カルロ…チビな団員。拷問室見張り係で、マルチェロ団長の拷問見物のスペシャリスト。根本からかなりの変質者。


マルチェロ…卓越した剣の技量、怜悧な頭脳、頑健な肉体、強固な精神力を持つある意味ニーチェ的超人。但し、某人物の前でだけは…

オディロ院長…マイエラ修道院院長。七賢者の末裔にして、モノホンの聖者さま。誰でも彼でも愛するが、特に某人物だけは、その偏愛の度が過ぎると…











場所:マイエラ修道院厨房。

時:夕食支度時


聖堂騎士ジョゼッペ、同じく聖堂騎士カルロ、隣に並んで、食事の支度をしている。


ジョゼッペ「今日の食事は豚汁か…」

カルロ「ハッ、寒い冬にうってつけのメニューであります。しかも簡単に作れ、材料も作り手の腕次第でいくらでも安く上げられ…と、まさに 女神の我々に与え給うた天餐 とは、この豚汁のことでありましょう。」

ジョゼッペ「ぬぬっ!!」

カルロ「なんでありましょう?」

ジョゼッペ「この大根…」

カルロ「裏の菜園で修道士たちが栽培した大根のコトでありますか?」

ジョゼッペ「この白さ…」

カルロ「ちなみに、完全有機栽培であります。」

ジョゼッペ 「わたしの肌のごとき滑らかで艶やかな白さだっ!!」

カルロ「おおっ、この豚肉の色、 先日、マルチェロ団長が拷問死させた異端者の、剥ぎ取られた皮膚の下の肉の色にそっくり であります…ああ、あの時の団長の拷問するそのお顔の 官能的であったことっ!!」





などと二人が愚にも付かぬことを言いながらもテキパキと食事を完成させたところに、ククール登場。

ククール「オレは見ちまったんだ!!」

入るや否やそう叫び、厨房の椅子に座る。



ジョゼッペ「…何をであるかな?ククール聖堂騎士団員。」

カルロ「それを聞かせて頂かないと、反応のしようがないであります。」


聖堂騎士団員ククール、ゆっくりと顔を上げる。



ククール「まず…茶を一杯。」

ククール、手ずから茶を入れると一息に飲み、そして



ククール「マルチェロ団長とオディロ院長がっ!!」










ごくっ












しーん
















ククール「話そうと思うんだが、すげえ腹減ってるから、 まず腹ごしらえから な。」



ククール、 許可も得ずに 豚汁を丼に盛り、 もりもり食いながら 話し始める。



ククール「そう、今日はオレはオディロ院長の部屋の掃除当番なんで、バケツとモップ持って二階へ上がったんだ。そしたら…さ…声がしたんだ…

『ああン、おやめ下さい、オディロ院長♪』

って声が…」










ごくくっ(ジョゼッペ、カルロ、息を呑む)












ジョゼッペ「して…どうなったのかね?」

ジョゼッペ、動揺を押し隠そうと自慢の金髪をあえて弄びながら問う。

しかし、動揺の余り実は 髪をドレッドに編んでしまっている ことには気付かない。



カルロ「何を言うでありますか、ジョゼッペ。小官愚考致しますに、 それはもう酒池肉林な光景 が繰り広げられていたに違いないでありますっ!!」


ジョゼッペ「… 相手はオディロ院長であるぞっ!?」

カルロ「オディロ院長とはいえ、男でありますっ!!」

ジョゼッペ「男とはいえ、オディロ院長であるぞっ!?」

カルロ「オディロ院長とはいえ、相手はマルチェロ団長でありますぅっ!!」






ジョゼッペ、カルロの あまりの迫力 に押され、押し黙る。


ククールは、これ幸いと、 炊飯器から丼に山盛りにご飯をよそい、豚汁をお代わりしてもさもさ食い ながら、カルロに言う。



ククール「続き、イイ?」


カルロ、いつになく イイ笑顔 で答える。



「無論でありますっ!!」






ククール「ほら、あに…じゃなくて団長どのってば、 フツーにしてても無駄にエロい 人なのに、それがあんな声だろ?ちょっとオレ… フツーに勃起しちまって」 さ…まあ、丁度雑巾とかあったから、まあ それ相応のコトをして ドアの外で待ってたワケだよ。」


カルロ「小官、一つ疑問がありますので質問具申。聖堂騎士団員ククール、 まさかその雑巾でオディロ院長のお部屋を掃除するつもりであった のでありますか?」

ククール「なぁに、ダイジブだって、 ちゃんと水で濯ぐから。」

カルロ、激しく頷く。


カルロ「ならば衛生的でありますなっ!!」


ジョゼッペ「…それは“衛生的”と評して良いものなのか?」



ククール、賄いの漬物まで出してきて貪りはじめる。

調理当番の二人、話に熱中する余り、制止しない。



ククール「んでさ…そしたら、団長の 更に色っぺえ声 が聞こえてさ…」


カルロ「それは…それは、 動けない獲物に仮借ないムチをくれながら、残忍な笑みを浮かべて、低い声で含み笑いをするそのお声 よりも、艶やかでありますかっ!?」

ククール、その問いに、 花のような笑み を返し、言う。



ククール「すげえぜ…

『そんなに…そんなにされたら…もう…もうダメです…院長っ!!♪』














ごぶわっ

ジョゼッペ、 ほとんどドレッドが完成してしまった頭 をかきむしる。



ジョゼッペ「なんという事だ…そのような団長のお言葉… わたしの自慢の金髪より悩殺的 ではないかっ!?」



ククール、自慢の細いウエストを おなかいっぱーい♪状態のギャル○根 のようなぽっこり下腹にするほど腹いっぱい食い、お茶をすする。

カルロ、続きを促す。






「もうソコまで聞いちまったら、 団長どのに虐殺されるのは覚悟 で、飛び込むっきゃねえじゃん?なあ!?」

ジョゼッペ「うむ、全くである。」

カルロ「小官、その続きを所望致す次第でありますっ!!」

ククール「おっし、じゃあ話してやっぜ。オレが飛び込むと」


ジョゼッペ「うむっ」




ククール「オディロ院長が兄貴の上にっ!!」

カルロ「ははっ!!」

ククール「覆いかぶさって!!」

ジョゼッペ「おおおおうっ」






















「団長どののうなじとアゴを むにむにむにー ってしてたんだー♪」

























ジョゼッペとカルロ、しばし顔を見合わせて、そして同時に叫ぶ。


「そんなのいつものコトだぁっーーーーーーーーーっ!!!!!!!!」






















院長室

オディロ院長「のうマルチェロや、あんなにククールを怒らなくても良かったではないかね?」

マルチェロ「冗談ではありません。院長室の様子を盗み聞きなど… その舌を引き抜かれても仕方がない所業 でございます。院長がとりなしなさったので、 夕飯抜き程度で済まし ましたが…」

オディロ「可哀相にのう、ククールも。育ち盛りじゃと言うのに、晩御飯を抜かれては… それっ、隙ありっ!!」


「ひゃっ♪!!」

オディロ院長、マルチェロのうなじを むにっ とする。


マルチェロ、 有得ないくらい可愛らしい悲鳴 を上げる。



オディロ「ほっほっほ、マルチェロや。お前は本当にうなじが弱いのう。」

マルチェロ「あんまりです、オディロ院長。お分かりと知って…こんな… オディロ院長でなかったら、その命はないものですよっ!?もうっ♪」

オディロ「ほっほっほっほっ、怖い怖い。」











院長室で、マイエラ修道院院長たる“聖者”オディロと、と鬼の異名を取る聖堂騎士団長マルチェロの両名が、 そこらのバカップルもかくやと言わんばかりのイチャイチャ をカマしている頃、本日の調理当番たるジョゼッペとカルロは、 ククールに完膚なきまでに食い荒らされた本日の夕食 を前に、 すさまじい勢いで茫然自失 していたのであった。








2007/12/31




…とりあえず、ツッコミ役がいない戯曲シリーズは非常に無謀だというコトはしっかりと学びましたので許してください。

小さい子の首を(小動物でもいいですが)むにっと掴むのは非常に気持ちいいし楽しいので、オディロ院長もそのおつもりであったのでしょう。ただ一つだけ問題だったのは、 マルチェロは身の丈六尺を超える美丈夫 であったということですが。(つまり、むにむにされる為だけに、わざわざほとんど跪いてあげた訳ですね…なんか、そう考えると結構エロいなあ)

二つのリクをまとめたもののクセに(しかも非常に長い時間お待たせしたものなのに)、限りなく酷い出来ですいません。
これに懲りずに、またリクエストはしてやって下さい。(まだまだ五つくらいリクを溜めているというのに、また地雷なネタを自ら振ってしまった)

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