家無き子等 その二

べにいもさんに土曜休みがない理由:そもそも土曜は休みじゃない上に、みんなが歓迎に酒を飲ませてくれるから。
べにいもさんに日曜休みがない理由:友達がこの忙しい四月に立て続けに式を挙げるから…二週連続で結婚式にお呼ばれってどうよ?
以上、本編とはまったく関係のない話でした。









「…こうなっては仕方がない。 極秘中の極秘 のことだが、君たちには話そう。実は我々の 「悪徳の街パルミドで健康を追求する漢の会」 とは表向きの姿…」


「…はたしてその真実はッ!!」

極秘のくせに嬉しそうに合いの手まで入れて真実暴露の雰囲気を盛り上げる漢たち。

背後ではどこから現れたのか、ドラムを持った鼓笛隊たちがいます。




ダカダカダカダカダカ(ドラムの音)




「悪徳の街パルミドで平和と安全を追求する漢の会であったのだッ!!」


「おおう、そうだったんでガスかッ!!」

素直なヤンガスは、相手の期待バッチリに驚きました。





「そうだろう、驚いただろうっ!?」

期待通りに驚いてもらったのがよっぽど嬉しかったのか、彼等は マスクの上からでも分かる満面の笑み を浮かべて、聞かれないことまで喋り始めました。





なんでも彼等は、 七賢者たちの流れを汲む由緒正しい正義の味方集団 で、 各国の王家とも裏でつながりがあるほど巨大な組織 で、 日々、世界とパルミドの平和と安全を守るため闘い続けているアツい漢たち なのだそうです。



「じゃあなんでこんなにパルミドの治安は悪いんだ?」

そうツッコミを入れてくれる筈の赤い生物は、まだ死に続けています。




「おおっ、やっぱりアンタ等は正義の味方でやしたか… 小さい頃から憧れていた甲斐がありやしたぜっ!!」

涙ながらに感激する、 心の美しいヤンガスに、


「いやいやヤンちゃん、暗黒神を倒して世界を救ったアンタだって、立派に 「悪徳の街パルミドで平和と安全を追求する漢の会」 の一員になる資格はある…いや、今回の事件に体まで張ってくれた君にはいっそ、 名誉会員資格 を…」

「先に私の質問に答えてもらおうかっ!!」

狂喜しかけるヤンガスを押しのけ、マルチェロが言いました。




漢たちは仕方なく認めました。




「ふむ、部外者の私とこの男を まんまとおとり捜査に使った という訳だな…」

マルチェロの そもそも悪い目つき鷹のように鋭 くなり、その視線は、 「悪徳の街パルミドで健康を追求する漢の会」 にしっかと向けられました。




2007/4/29




マイエラ地方の聖堂騎士、兄は団長、弟は平団員、諸国軍隊は弓矢で殺す、マイエラ兄弟は目で殺す

マルチェロの視線は、いろんな意味で殺傷力が高そうだ。




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