憧れの… その一
パヴァン王は、そこまで語ると
乙女のようにほんのりと頬を染め
ました。
「そうやってわたしはようやく、
男の子の体の余った部分と、女の子の体の足りない部分をあわせると、赤ちゃんが出来るとは、具体的にどうすることか
を知りました。」
「へえ、良かったっスね。」
ククールは
3へえ
くらいに気のない返事を返しました。
「しかし、シセルは本当に魅力的な女性だったのに、
どうして彼女をずっと見ていても何も感じなかったのか
知った後となっては
自分で自分が不思議
でしたね。」
そして、パヴァン王は
おとぎ話の王子さまのようにさわやかに
笑いました。
オレはアンタのその神経構造の方がよっぽど不思議だな
ククールは心からそう思いましたが、
いくらボケボケとは言え仮にも王様
ですので、口にするのは控えました。
王とは 何だ?ただ王家に生まれついた。それだけの理由でわがまま放題かしずかれ暮らす王とは?
て兄貴は言ってたけど、確かに、
好きな子にナニするのかも知らんのに、向こうがお膳立てして童○喪失させてくれる王さまって、マジいい商売
だよな。
そりゃ、兄貴も羨ましがるわ。
と、
マルチェロが聞いたらそのデコに太い青筋が浮かびそうな
感想をククールが抱いているとはつゆ知らず、パウァン王は
満面の笑み
を浮かべて、くだんのプリンス・スーツとプリンセス・ローブをククールに押しつけました。
「長い話になってしまいましたね。ではククールさん、ゼシカさんと、
幸せな花婿、花嫁になってくださいね」
ククールは、もう断れませんでした。
「うわー、ステキなドレスー♪」
リーザス村に戻ると、やっぱり待ちかねていたらしいゼシカは、
ククールの気乗りしない顔など見もせずに
ドレスをひったくりました。
「さっそく着てみようっと♪」
「…」
「ま、
処女でなきゃサイズが合わねー云々は、言わなきゃ分かんねーコトだしよ。」
ククールは、
ひたすら白を切ることに決め
ました。
が。
「見て見てククール、
ぴったりよー」
「え゛、なんでっ!?」
ククールの返答に、ゼシカは不思議そうに問い返しました。
「ぴったりだったらおかしいの?」
「いや…」
処女でなければベストフィットしないはずのドレス
なのに、ぴったり…
「あ、もしかして…」
「なに?」
「シセル王妃って、
さり気にゼシカとサイズが…」
「…?」
ククールは、
自分のいろおとこスキル
に絶対の自信を抱いていましたが、どうやらシセル王妃は、
相当着やせするタイプの方(特に胸が)
だったようでした。
「畜生、
3サイズは完ぺきに分かる自信
があったのに、見誤ったか…やっぱ、
女は脱がせてみるまでホントの所は分らねーなっ!!」
「…なんの話?」
なんてしているうちに、アローザ奥様がいらっしゃり、花嫁衣裳を身にまとったわが娘の姿を
目を細めて
ご覧になりました。
「よく似合いますよ、ゼシカ。ああ…やはり花嫁衣裳は良いものですね。わたくしも、自分が花嫁衣裳を身にまとったのがつい最近のことのような気もしますのに…」
遠い眼をなさる奥様に、ゼシカは言いました。
「お母さんも着てみればいいのよ。」
「まあ、何を言うのですゼシカ。」
拒否しつつ、
まんざらでもなさそうなご様子
の奥さまです。
「着ちゃえ着ちゃえ、だってお母さん、
服のサイズ、あたしと一緒じゃない」
「ぬ゛わ゛に゛いっ!!!!」
十代のナイスバディの娘と体形が一緒
とは、さすがアローザ奥さまです。ただ者ではありません。
「ま、そこまで言うなら…」
奥様が承諾したのを聞いて、ククールの脳裏に一つの考えが浮かびました。
「あーにきっ♪」
ククールは、
童貞ならばぴったりフィットのプリンス・スーツ
を抱えて、マルチェロの執務室に入りました。
「なんだ、この忙しいのに、
邪悪な笑みなど浮かべ
おって。」
ククールは、
アンタにだけは邪悪とか言われたくない
とは思いましたが、とりあえず気にしないことにして、言いました。
「な、兄貴、たまにはオシャレとかしたいよなっ!?」
2008/4/27
奥様のナイスバディさは相当なものだと思います。御年四十うん歳なのに、
ボッキュンボン
というわけで、また奥様とマルチェロの甘酸っぱいモードに突入…するかな?
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