乙女の誇り その三
べにいも家の教育方針で
好きなものは吐くほどやらせる
というものがあるので、ペルソナを1日中やっていたら、ゲップが出そうになりました。
しかもゲームのしすぎで目がさえて眠れず、ゴロゴロ寝返りを打っていたらアロマルが最終回までつながったので、更新。
「そろそろ兄貴に我慢の限界が来てると思う。」
ククールは言いました。
「そりゃそうよ、あたしだって我慢の限界に来てるもん。」
ゼシカが答えます。
「そりゃオレもさ…でもさ…」
そしてククールは考え込みました。
「どうしたの?」
「いや…兄貴が奥さまのどこが好きなのか…なんかようやく分かった気がする。」
「何よ今更…」
「ほら…やっぱ兄貴も男だから
熟女のチチ
とかに密かにレツジョーとか感じてたんじゃないかと思ってたワケよ。なにせ、
マザコンの男って大柄で肉感的な年上の女に抱きしめられたいガンボーとかある
訳じゃん?兄貴もマザーなコンプレックスはあるワケだし、そうじゃねーかと密かに思ってたケド…」
「ど?」
「…奥さまって、ホント、いい女だよな。」
ククールは感心したように言いました。
「…ホント今更。あたしのお母さんだもの。」
「うん、君のママだからいい女なのは当たり前だけど…
兄貴が本当に好き
で、理解しようと努めてくれてて…ほら兄貴って
理解するのがものすごく困難な人間
じゃねー?」
「うん、てかぶっちゃけ理解する努力なんてとうに放棄してる
けど。」
「…でも…奥さまは、そうじゃねーんだよな…」
そうですね。
元々奥さまは、高貴な方々ばかりに囲まれて生きていらした方ですから、マルチェロのような成り上がり者はそんなにお好きではなかったはずなのです。
ですのに、
出会ってほとんどすぐの人間に「王とは何だ!!」
とかブチ上げるような
明らかヤバい
男を、
いくら見た目が良いとはいえ
理解しようと努めるなんて、
真の愛無くして成し得ない偉大なる所業
でしょう。
「兄貴も…ホント、
いい初恋した
よな。」
三十路の初恋。
そう考えると
やや失笑を禁じ得ません
が、まあ。
「…だからさ、オレ、ほんっとに兄貴には幸せになって欲しいんだって…ほら…兄貴は
ものすごくいろいろアレ
な人間で、
ものすごくいろいろナニ
なことしでかしたけどさ…オディロ院長さえ生きていてくれたら、聖堂騎士団団長として以上は望まずにいたと思うんだよ。だって兄貴はオディロ院長が本当に大好きだったからさ。院長を泣かせるようなことだきゃ
バレるようには
しなかったもん…」
「…あえてツッコまないわ。」
「だから、君のママさえ兄貴と愛し合っててくれれば、兄貴だって…
世界を深淵の闇に堕とそう
とか考えないと思うワケで…」
ククールは、ちょっと考えて心配そうに訊きました。
「ところでゼシカ、奥さまって、
『世界征服って、ちょっとステキですわ』
とか言う人?」
「言うわけ無いでしょっ!!」
「ああ、良かった…今の兄貴なら、
二つ返事で実行にうつしちまう
からよ…うん…そんくれー、
奥さまを心から愛してる
のさ…」
「あたしだって、お母さんには幸せになって欲しいわよ。だってお父さんが死んでからずっと独りで、アルバート家のことばっか考えてきたんだもの。あんまりよ、それって。」
そして二人は顔を見合せます。
「ホンット、だから早くあいつが消え去ればいいのに。」
どたどたどたどたぁっ!!
階段を転げ落ちるような傲慢な足音がしました。
「うるさいうるさいっ!!ボクは夜の散歩をするんだっ!!うっとおしいから付いてくるなっ!!付いてきたらキツい罰を与えてやるからなっ!!」
どっかの誰かの声でした。
「…だって。」
「フン…散歩どころか、
この世から歩き去って
くれりゃいい気味なんだがな。
暴れ牛鳥にでも喰われねえかな?」
「ダメよククール、食われてしまったら可哀想よ…
暴れ牛鳥がっ!!」
ゼシカとククールはスルーする気満々でしたが、チャゴスが駆け出た後で、
「まあ、危ないですわ…ええ、サザンビークの方々がお行きになれないのでしたら、わたくしが参ります。」
というお声と、追いかけるドレスの衣擦れの音がなさいました。
「…仕方ねーよな。」
「…うん、仕方ないわ。」
というわけで、
アローザ奥さまのため
に
仕方なく
両名は結果的に、チャゴス王子を追う事にしたのでした。
2009/8/8
関係無いですが、本日は誕生日です
べにいも妹のっ!!
本当に関係のないお話でしたね。
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