謝罪 その一
ようやくDQ8を再入手っ!!
というわけで、今日からコツコツ始めます…そして、更新の時間がなくなるのね。
翌日。
もともと早起きの奥さまと、そして事態を心配して早起きしてしまったゼシカとククールは、
穏やか過ぎる鳥のさえずり
を聞きながら、何も言わずに朝のお茶を飲んでいました。
「…」
「…(コクリ)」
何も言わずとも、首をかしげるだけで意思疎通できます。
そして、三人がお茶でおなかがたぽたぽになるほどお茶を堪能したのち…
「チャゴス王子のことで、ちょっと…」
キター
三人は即座に席を立ちました。
人間というものは、いつ来るか分からない物事に対しては不安を抱きますが、
起こると覚悟している災難
には、意外と冷静に対処出来るものです。
「オハヨウ」
部屋に入るなり、チャゴス王子は
笑顔で
そう挨拶しました。
「お…おはようございます、王太子殿下。」
淑女らしくお返事をお返しになった後で、奥さまは困ったように後ろの二名を御覧になります。
「あ…王太子殿下にはご機嫌麗しく…」
「ヤア、ボク ハ ゲンキ ダヨ。
ボク ハ ブタ デス」
「…は?」
奥さまは更にこまったように後ろの二名をご覧になり、
「ゼシカ…今、王太子殿下は何とおっしゃったように聞こえました?」
と確認を求められました。
「…あたしには…
『ボクはブタです』
って言ったように聞こえたわ。」
「はい、オレも同じです、おかーさま。」
奥さまはまさか、
そんなお下品な単語を口にもできず
サザンビークの人々に視線をやるばかりでした。
「き…昨日、お休みになるまでは普通だったのです…いや…確かに少々、
カクカクしておいで
ではありましたが…それが、今日お目ざめになると…
この有様で。」
「ボク ハ チャゴス デス。
ボク ハ ブタ デス。」
チャゴス王子は、とてもカクカクしながら、ひたすらその単語を繰り返しました。
「えっと…とりあえずお食事になさるというのはいかがでしょうか?」
「ボク ハ ゴハン ヲ タベ マス。
ボク ハ ブタ デス。」
「お食事を召しあがったら、元に戻るかもしれませんわ…」
絶対にそんなことはないだろう
と一同は思いましたが、もちろん誰もそうとは口にしません。
「ボク ハ ゴハンヲ タベ マス。
ボク ハ ブタ デス。」
チャゴス王子はですが、
カクカクカクカク
しながら、そう答えるのでした。
「イタダキマス。
ボク ハ ブタ デス。」
きちんといただきますの挨拶をすると、チャゴス王子は
いつもの五十倍は麗しいテーブルマナー
で、きちんとご飯を頂きました。
「王太子殿下、お味の方は?」
「トテモ オイシイ デス。
ボク ハ ブタ デス。」
「はは…それは光栄ですわ…」
「ゴチソウサマデシタ。
ボク ハ ブタ デス。」
そして、きちんとご馳走さまのご挨拶もしました。
その間、アルバート家の使用人たちは、
ものすごく何事も起こっていないような顔をして
きちんと給仕を務め上げたのでした。
そして、奥さまとサザンビークの一同が協議の為に部屋へ戻ると、ククールはしばらく沈黙して、メイドたちに聞きました。
「あのさ…コレはオレの超個人的なイケンとして聞いてもらいたいんだけどさ…
ぜってー、今の方が良くねー?」
応っ!!
独裁国家の独裁者への支持率より高い同意が得られたようです。
「…あたし…思った。」
そして、メイドたちが大満足で日々の仕事に戻っていった後、ゼシカがものすごくポツリと言いました。
「何がだい、ハニー?」
「あたしたちって、ほんっとーにヤバい人を敵に回していたんだって、今、骨身にしみて分かったっ!!」
「…ハニー…
オレの長年の苦労が分かってくれたんだねっ!?」
「ゴメン、ククールっ!!忍耐強いあなたを愛してるわっ!!」
なにがゴメンかよくわかりませんが、ともかく恋人たちの愛が深まったようです。
良かったですね?
2009/8/12
実はものすごく当初(サイト開設当時)から構想していた、「マルチェロのチャゴスのやっつけ方」
最初はハリポタのドローレス・アンブリッジよろしく書き取りだったんですが、喋らせた方が怖かったです。
いったい、何がどうなったら人はこうなるのか…
「聞きたいですありますか?」
いや、いいです、カルロたん。
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