奥さまの主張 その二

朝ごはんを食べた後にバタバタするのは胃に悪いと最近気付いたので、ちょっと早く起きてゆっくりすることにしました。
気分は穏やかです…結局、朝からパソコン画面見てたら、今度は目に良くない気もしますが。









ぶわっ!!

擬態語のくせに本当の音を立て て、 涙腺がハジケ た音がしました。



「よくぞ言って下さったっ!!」

クラビウス王は 歓喜の絶頂というか、いっそ恍惚の境地 な面持ちで、アローザ奥さまのお手を 力一杯握りしめ ます。



「…」

奥さまは慎み深い淑女として それはあんまり褒められたなさりようではありません という表情をなさいましたが、何せ相手が王でありますので、お口にはなさいませんでした。




そしてマルチェロは、

「……」

と沈黙はしていましたが、 マダムにそれ以上の振る舞いすれば只では置かんぞ! という 眼光 ではありました。




「…それ位にしておくが良い。」

その場を収めたのは、ニノ法王でした。


「名誉ある婦人に、国王が公けでする所業ではない。」

クラビウス王はそこで正気に返り、マダムのお手を掴んだ我が手をじいっと見つめ、


「これは失礼した。」

と慌ててその手を離しました。



「いえいえ、お気になさらず。」

奥さまも礼儀正しくお返しになりますが、


「そうですよ、陛下。 そういうことは、プライベートの場でなさるもの です。」

レベッカが ちょっとトゲのある言い方 で釘を刺しました。




「いや、ハッハッハ、真に失敬。今、少し マダムには我が息子の母親になって頂きたくなった のでな。」

「まあ、サザンビーク王妃にですか?」

奥さまは、そういうクラビウス王と


「ハイ ボク ノ ハハウエ ニ ナッテ イタダキタイ デス。 ボク ハ ブタ デス」

元気よくお返事する 生物とを交互にお見回しになり、




まあわたくしも、プリンセス(王妃の意味でもありますね)に憧れる年頃の娘であった時もありましたけれど…

「…」 の余韻部分に 言葉にはならないたくさんの感情 をお込めになった感想を抱かれました。









「まあ、ともかく、だ、マルチェロっ!!」

クラビウス王はようやく、国王らしい威厳と風格を取り戻した姿勢で、マルチェロに正対しました。


マルチェロも奥さまへ向けていた、 「まあ、でも貴女の事は愛していますよ、でもですな…」という感情でも秘めているんでしょう視線 から、いつものマルチェロらしい鋭い眼光に変えてそれに応じます。



「オレとの話は終わってねえよっ!!」

なのにしゃしゃり出る愚弟です。


邪魔なんだよっ!!

二人同時に睨み挟まれます がなんのその。



「だから何度も言ってんじゃねースか、奥さま?そりゃマイハニーゼシカとか、サーベルトさんとかデキた子なら気持ち分かりますけど…」

「ああ、サーベルト…」

奥さまは、 はらり風にふかれてはかなくも舞い落ちてしまう花のように よろめかれ(もちろんマルチェロは抱きとめますよ? 誘拐犯のくせに)てから、



「ああ、サーベルト、可哀想な子。うっかり女神さまに愛されるほど素晴らしい子であったばかりに、あんなに早く死んでしまって!!」

お芝居のヒロインのクライマックスでの独白のよう に叫び、くずおれなさいました。



「えっと…」

ちょっと言葉に詰まるククールです。


そして、

「いーじゃねーかっ!!精神くらい破壊されたって、だったらチャゴスなら超長生きすっぜ?」

と、クラビウス王に向かってキレました。


「成程な、ククールにしては気のきいた事を。。」

ニノ法王が 酷くしきりに感心 し、


「チャゴス王子に、サザンビーク王国と同じだけの寿命があらんことを、女神にかけて儂が保障しよう。」

と付け加えてくれました。




ソレって本当に祝福なんですか?

周囲の兵たちはみんなそんな顔をしましたけど。


そして物陰から見ているエイタスは、 この場はいつ、お開きになるんだろう とハラハラドキドキ、そして イライラ しながら見守っていました。





2010/4/17




みんな天ボケ なので、場がグダクダです。

そして 結末予測アンケート まだまだ設置してます。
二人の恋の行き方を想像して、べにいもにも教えてください。




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