もし、自分が女だったら

元ブログ話。





「…どうする、トマーゾ?」

「…は?どうするもなにも、どうしようもないだろう、エステバン。なるようにしかならないじゃないか。」

「あーもう、つまんねェなっ!!女だったら今頃、ナニしてるかソーゾーしてみろっつってんだから、話にノレよっ!!」

「あ、ああ…俺が女だったら…まあ、相続が云々とかは関係ないだろうが、どのみちこの面相にこの図体のデカさじゃ、嫁の貰い手もなさそうだしな。結局、いくらか持参金貰って女神にお仕えしているのに違いはなさそうだ。」

「へー、修道女か。」

「ま、しかし、修道女の生活もそんなに悪くないかもな。自給自足をしながら、静かに女神と向き合い、貧者に奉仕し…エステバン、一体なに、俺を熱心に見上げてるんだ?」

「…女だったら、ちったァ縮むだろうが、 それでも下手するとオレよりでけェ かもな。それに、筋肉質なカラダにゃァ違いはなさそうだし… 担ぐにしても、お姫様抱っこ にしても、 スタミナと力つけねェと、ひっさらうオレがバテそう …(ぶつぶつ)」


「一体、何を想像してるんだ、エステバンっ!?」












(多分、エステバンの想像している内容)


修道女トマージア(女名)は、器量はイマイチでしたが、気立てが良くて働き者で慈悲深いので、修道院の人たちにも、周囲の人たちにも愛されていました。

そんなある日、稼業の挙句、捕り手に囲まれ、力ずくで突破したものの息も絶え絶えなまま、なんとか女子修道院に逃げ込んだエステバンという盗賊がいました。それを発見してしまったトマージアは、とっとと官憲に引き渡せばいいのに、可哀想になって、こっそりと傷の手当てと看病をしてあげました。




「もう、こんな悪いことをしてはいけませんよ、盗賊さん」


トマージアは、 「愛は世界を救うはず」 と考えていたので、こうすればきっとこの盗賊も改心するだろうと、優しい言葉をかけて逃がしてあげました。

優しい修道女に命を助けられた盗賊は、 心から感激 し、そしてこう思いました。




「一見、ツラはイマイチだが、よく見りゃ可愛いかもしんねェし、何より気立てがいい。つーか なによりオレが気に入った!! よし、あんな辛気臭ェ修道院から攫いだして、 オレの女にして、シアワセにしてやろうっ!!」




そして盗賊エステバンは、 修道院を襲撃 すべく、野郎どもをかき集めるのでした。




教訓:自分と感性と常識が違う人に、むやみと親切にしてはいけません。




終る


2008/3/10


ひさびさにちゃんとエストマになったお話。
女性は見た目じゃなくて、心です!
っていいお話…に、どうしてならなかったのだろう? inserted by FC2 system