仲善き事は羨ましき哉

久々にDQ8をプレイすると、ヤンガスの主人公への の強すぎさにアテられてクラクラします。
なのにサイトで全然見ない ヤン主
なんで?






「ヤンガス、ククール見なかった?」

エイタスのアニキがおっしゃる。


「へえ、中で昼寝してヤス。」

アッシが答えると、エイタスのアニキは碧い青い空を見上げて、苦笑なさった。


「こんないいお天気なのにー。」




辺りに広がるのは、ただ青い碧い海ばかり。

天気もいいし、航海順調ヨーソローって感じでガス。




エイタスのアニキはおっしゃる。

「ククールの夜型、ちゃんと直さないとね。」

そして船室にお入りになるので、アッシも付いてったでガス。




「ククール、起きてよ。剣の稽古したいから、付き合ってよー。」

ハンモックの中で、ククールは微動だにせずに寝てやがる。


「ククールってばっ!!」

ゆさゆさ

エイタスのアニキが揺さぶるが、目覚める気配もねえでガス。


「ほんっとに寝起き悪いんだから。」

エイタスのアニキは苦笑なさって、もっと揺さぶる。


「…んー…あとちょっと…」

ククールは半目を開けて、アニキとアッシをちらっと見ると、また目を閉じた。


「今寝てるとまた夜起きっぱなしでしょ!?」

「いーじゃん…」

ククールはやっぱし起きる気配はねえ。




「アニキ、稽古が必要ならアッシがお相手するでガス。」

エイタスのアニキは、首を横に振る。


「ううん、剣の稽古がしたいから、ククールがいいんだ。ククールってばっ!!」

ゆさゆさ

ククールはまた半目を開ける。


「起きた?」

「『ククールがいい』

って、ゼシカの台詞なら起きる…」

そしてまた目を閉じる。


「訳分かんないこと言ってないでっ!!」

「やだねー…オレ、お相手は美女って決めてんだよ、相手が欲しけりゃヤンガスにしとけよー。」

「もう起きてるだろっ!!」

「起きてないー…」

って熾烈な攻防の末、とうとう兄貴の熱意がククールの怠惰に打ち勝ったでガス。







「ったく、モテる男はツラいぜ。」

訳分からねえ台詞といっしょに、ククールはテンペラーズソードを持った。


「で?何したいのかな、リーダーどの?」

「うん、こないだから君の剣を見てて思ってたんだけど、突きを強化したくてさ。」

アニキはおっしゃって、手にした鋼の剣をいつもとは違う構えでお持ちになったでガス。


「へえ…聖堂騎士のマネ?」

ククールが面白そうに笑う。


「言っとくけどよ、聖堂騎士の剣法は刺突剣用だぜ?お門違いなんじゃねー?」

「やってみなきゃ分からないよ、ククール。」

「成程な、じゃあかかってこいよ。」


「アニキ、生兵法はケガの元でガス!!しかも真剣でっ!!」

アッシは叫んだが、アニキはお聞きにならねえ。


「大丈夫、ホイミ使えるし。」

アニキはそして、その体勢でククールに踊りかかったでガス。




アッシの敬愛するエイタスのアニキは、剣の天才でガス。

フツーにしてたんじゃ、ククールごとき優男にゃ負けやしねえでガスが、なにせいつもとは剣筋が違う。

明らかに劣勢に立ちながらも、アニキは果敢に打ちかかったでガスが。




「アニキ危ねえっ!!」

ククールの刃が、アニキの腕をまともに貫いた。


「うわっ!!」

それでも間一髪、まともに貫通するのはお避けになったアニキでガスが、左腕の肉がまともに裂けたでヤス。

アッシは反射的に駆け寄って、アッシのアニキの怪我に即座にホイミを唱えようとしたでガスが、



「ホイミ。」

なんとも悔しいことに、ククールが先にアニキの肩に手を触れたでガス。




「バーカ、生兵法でオレに勝とうなんざ100年早ーっての、お分かり?」

ククールの生意気な言葉に、アニキはしゅんとなさる。


「もうちょっと何とかなると思ったんだけどなー。」

「なるかよ。聖堂騎士の剣術は奥が深ーんだよ。ちょっと見てるだけで何とかなるかっての。あ、ま、い、の。」

そして、妙に馴れ馴れしくアニキの肩を叩くククール。


「やっぱりか。ほら、僕の剣筋って、そりゃ兵士としての訓練はしてるけど、かなり我流っていうか…やっぱりククールの剣筋は洗練されてるよね、すごいなあ。」


にっこり

エイタスのアニキの花のような笑顔がククールに向けられる。




だっ!!

アッシはなんか耐えられなくなって、その場をダッシュで離れたでガス。









船室に入って、アッシがしょぼんと座り込んだら、トロデ王のオッサンが


じろり

とアッシを見つめた。


「腹でも痛いのか?」

「…胸が痛えんだよ。」

「なんじゃ、恋煩いか?」

アッシは睨み返す。


「…」

でも、すぐに気力をなくしたでガス。


「…エイタスのアニキが、最近冷たいんだよ。」

アッシが呟くと、トロデのオッサンは目を見開いた。


「出会ったばっかの時は、何かっていうと、ヤンガス、ヤンガスって慕って下さったって言うのに、最近じゃククール、ククールって…」

アッシはため息をつく。


「もうアッシは要らねえんでガスか、アニキ…」

言いながら、自分の言葉にロンリー傷ついたアッシをオッサンはもう一度見ると、


「アホか。」

超冷てえ一言を叩きつけた。


「アホたあ何だい、アホたあっ!!」

怒鳴り返すと、オッサンも目を剥いた。


「アホにアホと言って何が悪いっ!!」

「どこがアホだってんだっ!?」

アッシが叫ぶと、オッサンは


やれやれ

と全身で示すと、続けた。




「あのなあヤンガス、少し考えてみるのじゃ。エイタスは18のヤングメンじゃぞい?オヌシみたいな腹の出たオッサンと一緒にいるのと、年の近い同じヤングメンと一緒に居るのと、どっちが楽しいと思うんじゃいっ!?」

うぐっ!!

アッシは言葉に詰まった。


「…でも…ゼシカの嬢ちゃんが来た時は…」

「アホぅっ!!女の子はまた別じゃい。同性の方が気安いに決まっとるっ!!」

「…」

アッシが心底言葉に詰まると、トロデのオッサンは横に勝手に座り込んだ。




「あのなあ、ヤンガス。エイタスは昔っから大人に囲まれて生きてきたんじゃ。そりゃ、兵士仲間は若者が多いがのう、旅に出てからは、ミーティアは馬の姿じゃし、ワシもオヌシもオッサンじゃ。想像してみい、この不毛な環境。気ぃつかいまくりじゃぞい。」

「何でアニキがアッシに気ぃつかうってんだ!?漢ヤンガス、エイタスのアニキになら踏みつけられたって文句は言わねえっ!!」

「…と言って、踏みつけに出来んのがエイタスの良い所じゃわい。違うか?」

うぐうっ!!

アッシはまたまた言葉に詰まった。




「…確かに、アニキは出来過ぎた若者でいらっしゃるでガス。」

「そうじゃ、だから口には出さん。が、それなりに窮屈じゃったんじゃろ。」

「…」




ご苦労ばっかりのお気の毒なアニキ。

同じ年頃のやつと、時には思いっきり弾けたいんでガスね?

なのにアッシは、自分の気持ちばっかり優先させて、アニキのストレスなんて考えなかった。




「がーっ!!情けねえでガスーっ!!」

「うわっ!!いきなり叫ぶな、びっくりするわいっ!!」

オッサンがアッシに


びしいっ

と手の先でツッコミを入れたが、アッシは気にしなかった。


超ダッシュで船室から駆け上がりながら、アッシは思う。




エイタスのアニキの為なら、どんな苦難だって忍ぶと決めたじゃねえかと。

エイタスのアニキがアッシを殺そうとするなら、笑って殺されると誓ったじゃねえかと。

エイタスのアニキになら、なら…




「うわっ!」

甲板に上がると、エイタスのアニキが、ひっくり返ったトコでガシた。


「へっへー、足元甘いぜ、エイタス。それっ!」

足払いをくらわしたククールが、そのままエイタスのアニキに覆いかぶさる。


「ちょ…」

エイタスのアニキがはねのけようとなさるが、ククールはのかない。


「僕の方が力強いのにっ!」

「格闘じゃ上の方が強いのさ、マウントポジションってやつだ。」

「くっそーっ!!」

「負けねーぜ、てか、早くしねーとちゅーしちまうぞー。」




アッシの少ない脳ミソが、一気に発熱したとしても、誰がアッシを責められるでガスか?

ともかくアッシはその後、どんな行動をとったかは微妙に記憶にねえでガスが、




「ヤンガスーっ!!」

というエイタスのアニキの絶叫だけは、しっかとこの脳裏に刻み込まれているでガス。






2009/9/22




一言要約「ジェラッシィー」

別になんてことない日常話を書きたかった。しかもクク主とヤン主を書きたかったというだけのお話。
ペルソナの方の誰かは総攻なのに、エイタスは受なのか?それとも本性はドロドロの鬼畜攻めなのか?
まだ決めてません…てか、多分書く事もないだろう。

エイタスの一人称は書くまいと決めているので、エイタスが本当は何を考えているかは分かりません。
分かりませんが、あのパーティーを見るだに、やっぱり一番「気を遣わなくていい」のはククールな気もします。ヤンガスは年上で自分を崇拝してくれているというかなり微妙な関係だし、ゼシカは女の子でしかもどうやら自分のことが好きそうだし、トロデ王は気さくだけど主君だし、ミーティアは馬の姿だし…だとすると、ブラコンで下ネタ(+ホモネタ)が多くてひねくれてて大人げなくても、やっぱりククールとツルむことが多いんじゃないかなあ、あとククールとは同じ剣使いなんで、やっぱり稽古とかも一緒にする事が多そうです。それにククールは騎士なんで、剣術とかいろいろ学ぶ事も多そうだし。でも、それって絶対にヤンガスが嫉妬するよなー?
と思いました。やっぱり気遣い多そうです、そのうちキレないか心配です。

てか、そういう微調整をしているのがトロデ王なんじゃないかと思ってます。あの人は動きがかわいすぎ(テキストで打ってても、あの人の動きは目の前に映像として浮かぶ)ますが、かなりの大物ですよね?ねっ?




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