憧れの… その三

DQ8のマルチェロ好きなら一度は考えてみたことがある マルチェロの装備
とりあえず、賢者のローブ等のローブ系と、闇のころもは必須であってほしいです。
意外と重装備出来なかったら面白いですが、それだと 伝説の聖戦士のくせにアイラも出来るはがねの鎧が着られないメルビン と同じになってしまうのが(メルビン好きですが)切ないです。
かと言って、 ナチュラルに天使のローブが着られるマルチェロ がいいかと言うと、ちょっとアレですが。

兄貴、天使のローブなんて着なくても、元々邪悪な兄貴には、ザキなんて効かないよっ!!









「うわー…」

童貞ならばぴったりフィットの、カッコよさ100のプリンス・スーツ を着て出てきたマルチェロを見るなり、女の子は 超絶句 しました。



「どうしたのだ?何か変か?」

「いや、兄貴…その…」



もちろん、変ではありません。

さすが魔法がかかっているだけあって、 メラゾーマをまともに喰らっても、焦げ一つついていない プリンススーツは、 下ろしたてのようにピカピカ でしたし、何よりさすが 童貞ならばぴったりフィットの、カッコよさ100のプリンス・スーツ です。元よりカッコよさの高いマルチェロが着ると、 なんかそれだけでボーナスがつく のか、今のマルチェロのカッコよさは、 伝説の美女、ローズすら、ナチュラルに一位の座から追い落とせんばかり でありました。






「まあいい、さて、小さなレイディ、お望み通り花婿姿になったぞ。隣に並んで、さて、誰に見せたいのかね?」

マルチェロのことばに、女の子は



「ううん、いい…」

と、 なんだか怯えたような目 で答えました。


「…よく分からんな、別に気を使う必要はないぞ?」

さすが元騎士だけあって、小さいとはいえ女性には ククールには死んでも口にしない気遣いの台詞 を言うマルチェロですが、女の子はとうとう、

「あたし、帰るっ!!」

と、脱兎のように駆け出ていってしまいました。




「…なんなのだ?」

マルチェロは事態が全く理解出来ていないようでしたが、ククールには分かりました。

兄貴があまりにカッコ良すぎて、隣に並ぶの気がひけたんだ




人は、性別はどうあれ、カッコよさの高い人を同伴したがるものですが、それでも ものには限度というものがあり まして、あまりに自分とは 桁違いなカッコよさ を目にすると、 気が退けて しまうものです。






尤も、ククールは思ったことがないので実感はありませんが 悲しいかな、美形過ぎるので、言われたことは何度かあります。





あの女の子も、 十分可愛らしかった のですが、如何せん、それでもちょっと、 相手のレベルが高すぎた ようでした。







「わざわざこんな服を着て出てきたというのに…」

マルチェロは不満そうでしたが、 ククールにとっては大チャンス到来 です。




「ま、いいじゃん。せっかく着たんだし、 みんなに見てもらおうぜっ♪」















「うわー、お母さん、似合うーっ♪」

ゼシカの声が響いていました。



「まあ、年甲斐も無く…恥ずかしい…」

そう言いつつも、 かなり満更でもなさそうなアローザ奥さま は、恥ずかしがりつつも かなり嬉しそう に、立て鏡の前で、


くりん

くりん

と回転して、 20云年ぶりの花嫁衣裳 を堪能なさっておられました。







「スゴーイ、あたし、フツーに負けそう。」

いくばくかはお世辞は混じっているでしょうが、 満更お世辞ばかりでもないであろう娘の言葉 に、いくら厳しい淑女とはいえ、 女は女である 奥様の心も浮き立ちます。



「後は花婿さんだけねっ♪」

「バカな事を言うものではありません、ゼシカ。貴女のお父さまは、もうお亡くなりでしょう?」

「へへへっ、だから次の いいヒト にすればいいのよ。お母さんだってまだまだ若いんだから♪」


奥さまはその脳裏に、 とある人物(秀でた額の某氏) を思い浮かべましたが、 貞淑な淑女として その考えは頭から追い払いました。



「何を言うのですか、ゼシカ。貴女のお父さまほど素敵な方は、他所を探してもいらっしゃいませんよ。」

「だってあたし、実はお父さんのことそんなに覚えてないのよね…そりゃ、サーベルト兄さんを見てれば、なんとなく分かるけど。」

ゼシカの外見が母親似であるのと同じく、兄のサーベルトは父親似です。だとすると、そりゃ 見た目に文句はつけられない のは間違いないでしょう…デコも広くなさそうですし。




奥さまは、花嫁衣裳も相まって、亡き旦那さまを思い出されたのでしょう。 恋する乙女のような瞳と口調 で、 うっとりと、亡き旦那さまの美点を数え上げ始めました。









そして、奥さまはまだお気づきではありませんが、そばにいるゼシカは、 強っ烈な殺意の眼差し(緑色) がそこに向けられているのに気付いているのでした。





2008/5/6




やっぱり、恋にはライバルが必要だと思います。
そして、その人がとうに故人だと、更に話は…




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