我が最大の敵 その三

さて前回の前書きで「ホントに書きたいのはペル4(てか足立)なんだー」と、べにいもは確かに言いました。
言いましたし、今も「『王を殺せ!』更新したから、次はペルソナのウラを更新しよう!!」と、半日前から考えていたんですっ!!

なのにアロマルを書いている…なぜ?

そんなにべにいもはアロマルを進めたいのかっ!?









この世ならざる者 の動きは(やはり幽霊だからなのでしょうね)マルチェロでも反応するのに精一杯なほど速く、そして的確でした。


そして、マルチェロでも受けるのに精一杯なほど、重いものでした。




普通に考えたら、焦ったり、困ったり、するべきシチュエーションなんですけれど




「ふふふふふふ…」

マルチェロは とても嬉しそうに 笑います。



「こうでなくてはいかんなっ!!」

ええ、もうみなさん 重々 ご存じだとは思うのですが、 マルチェロは、達成目標が高ければ高いほど燃えてしまう人 なのです。


しかも彼は 生涯最初の恋に舞い上がって いますから、 眼前の敵(元夫)を叩き伏せれば、わが野望恋は成就するっ!! という 非常に彼らしい、シンプルな力の論理思考 から、 その敵(元夫)が強ければ強いほど達成の喜びは大きい という認識な訳です。




「ムッシュゥ、その力の全てを出し給えっ!!」

先日エイタスと戦った時より 更にテンション高い マルチェロです。


だってあの時よりも今回は、 勝利した時に得るものがハッキリクッキリして(もちろん、彼の脳内では、です)いる からです。






…そうか…

この世ならざる者 は短くそう呟くと、 マルチェロの言ったとおり 全力?でかかってきます。



その速さはどんどん速くなり、

そしてその力はどんどん増してきます。


ええ、 マルチェロよりもエイタスよりもはるかに強く。









ざっ

マルチェロは間合いを開けました。









「…確かに亡霊とはこの世ならざるもので、そしてこの世の法則など受け付けぬものだろうが…」

……

この世ならざる者 は、その速さならば一瞬で間合いをつめられたでしょうに、黙ってマルチェロの言葉を聞きます。


「強すぎんか?」

……

この世ならざる者 は、やはり黙ってマルチェロの言葉を聞きます。


「確かに御子息サーベルト殿は強かった。よって、御家伝の剣法が優れているのだという事は分かる。だが、私は常に実戦において自らを鍛えてきた…それが、御邸剣法ごときでここまで対処されるのは納得いかん。」

…何故だと思う

この世ならざる者 は、問いを発しました。




「…」

マルチェロはしばし考えます。


「それほど私が憎いか?」

…何故だと思う

この世ならざる者 はマルチェロの返答にさらに問い返しました。




「亡霊の力とは、生前の人物が優れている場合と、 死の間際に抱いた感情が大きすぎる 場合に強大になると聞いた事がある。もっとも、貴方が亡くなった時には私はまだ聖堂騎士副団長に過ぎず、マダムにどうこうなど考える事はおろか、御目にかかった事すらなかったのだが。ともかく、 貴方の大事なマダム・アローザ にまとわりつく虫なのだ。 私が貴方なら心から憎悪する。」


…憎み、殺すことで再び生を得られるなら、彼女の側にいられるなら、いくらでも憎もう、いくらでも殺そう…



「…」

マルチェロはしばし沈黙して、言いました。



「憎む事に、発展性など無い。」

…何故、そう考える

「現に私がそうだったからだ。」




「私は弟を憎み続けたが、 時間と労力の無駄だった。」

でもやっぱり 「弟に済まないと思っている」 とは言わないマルチェロです。


「…私もそう思うよ。」

この世ならざる者 は、少し柔らかな口調になりました。


「だから、君のことは憎んではいない…」

この世ならざる者 はきっぱりと断言します。


「…ならば、何故?」

マルチェロの問いに、 この世ならざる者 は、答えました。






2009/3/28




なんて答えてくれるのかな?




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